序論:コーディングテストはなぜ避けられないのか

2026年現在、コーディングテストはIT業界への就職において事実上の必須関門となっています。サムスン電子、カカオ、NAVER、LINEなど韓国の主要IT企業はもちろん、クーパン、配達の民族(Woowa Brothers)、Tossなどのユニコーンスタートアップまで、採用プロセスにおいてコーディングテストを必須で実施しています。韓国経済研究院の2025年調査によると、韓国国内IT企業の約92%が新卒採用時にコーディングテストを実施しており、中途採用でも約65%が技術面接と併せてコーディングテストを実施しています。

コーディングテストの重要性がこれほど高まった背景には明確な理由があります。単にプログラミング言語の文法を知っていることと、与えられた問題を効率的に解決できるアルゴリズム的思考力を備えていることは、まったく異なる次元の能力です。企業はコーディングテストを通じて、志願者の論理的思考力、問題分解能力、最適化センス、そして制限時間内に動作するコードを書く実務能力を総合的に評価します。

情報系以外の専攻者でも十分に挑戦できます。実際に2025年のProgrammers統計によると、コーディングテスト合格者の約30%が非情報系出身であり、体系的な学習計画と地道な練習さえあれば、専攻の有無は決定的な変数ではありません。この記事では、2026年のコーディングテストを体系的に準備する方法を、アルゴリズム、データ構造、言語選択、学習プラットフォーム、実践戦略まで漏れなくカバーします。

1. コーディングテストの種類と出題傾向

1.1 企業別コーディングテストの種類

各企業は独自のコーディングテストスタイルを持っており、これを把握することが効率的な準備の第一歩です。

企業 試験形態 問題数 / 時間 出題特徴 難易度
サムスン SW 能力テスト オフライン(社内PC) 2問 / 3時間 実装、シミュレーション、BFS/DFS中心 中上
カカオ ブラインド採用 オンライン(Programmers) 7問 / 5時間 文字列、実装、DP、グラフをバランスよく出題 中~最上
NAVER/LINE オンライン 4~6問 / 2~3時間 アルゴリズム効率性重視、最適化必須 中上
クーパン オンライン(HackerRank) 3~4問 / 90分 データ構造、グラフ、文字列
スタートアップ(一般) 課題型 / ライブコーディング 多様 実務コード作成、API実装、コードレビュー 多様

サムスン SW 能力テストは実装力を極限までテストします。2問を3時間以内に解く必要があり、問題自体のアルゴリズム難易度よりも、複雑な条件を正確にコードで実装する能力が核心です。グリッドベースのシミュレーション、BFS/DFS探索、ビットマスキングなどが頻出です。

カカオ ブラインド採用は様々なアルゴリズム領域からバランスよく出題し、前半の問題は比較的易しいものの、後半の問題はかなりの難易度を誇ります。2025年のカカオブラインドでは、文字列パース、木構造DP、ネットワークフロー応用問題が出題され話題になりました。

スタートアップはアルゴリズム問題よりも、実際のプロジェクトを実装する課題型テストや面接官と一緒にコードを書くライブコーディングを好む傾向があります。REST APIの実装、データベース設計、簡単なWebアプリケーション制作などが代表的です。

1.2 2026年の出題トレンド

2026年のコーディングテストではいくつかの新しいトレンドが観察されています。

  • AI関連問題の増加:機械学習パイプラインのデータ前処理、簡単な推薦アルゴリズムの実装、AIモデルの推論結果を後処理する問題が登場しています。直接モデルを学習させる問題ではありませんが、AI時代の開発者として関連ロジックを理解し実装する能力を評価します。
  • 実務コードレビュー型問題:既存コードのバグを見つけて修正したり、非効率的なコードを最適化するタイプの問題が増加しています。これは実務で実際に必要なスキルを評価しようとする企業の意図を反映しています。
  • システム設計問題の台頭:特に中途採用において、大規模トラフィックを処理するシステムの設計、キャッシュ戦略、データベースシャーディングなどシステム設計関連のコーディング問題が出題されています。
  • 複合型問題:一つのアルゴリズムだけで解ける問題よりも、グラフ探索+DP、二分探索+貪欲法など複数のアルゴリズムを組み合わせる必要がある複合型問題の比率が高まっています。

2. 必須データ構造をマスターする

2.1 線形データ構造

線形データ構造はコーディングテストの基礎中の基礎です。各データ構造の特性と時間計算量を正確に理解する必要があります。

データ構造 アクセス 探索 挿入 削除 主な活用
配列(Array) O(1) O(n) O(n) O(n) インデックスベースのアクセス、ソート
連結リスト O(n) O(n) O(1) O(1) 頻繁な挿入/削除
スタック(Stack) O(n) O(n) O(1) O(1) 括弧マッチング、DFS、後置記法
キュー(Queue) O(n) O(n) O(1) O(1) BFS、タスクスケジューリング
デック(Deque) O(n) O(n) O(1) O(1) スライディングウィンドウ、双方向処理

スタックはLIFO(Last In First Out)構造で、括弧の有効性検査、DFSの実装、ヒストグラムの最大長方形などの問題で核心的に活用されます。キューはFIFO(First In First Out)構造で、BFS探索の基本ツールであり、プリンタキュー、キャッシュ管理などの問題に使用されます。デックは両端での挿入と削除が可能で、スライディングウィンドウの最小値/最大値問題で非常に有用です。

Pythonでスタックとキューを実装する基本パターンを見てみましょう。

# Stack implementation (using list)
stack = []
stack.append(1)    # push
stack.append(2)
stack.append(3)
top = stack.pop()  # pop: 3

# Queue implementation (using collections.deque - faster than list)
from collections import deque
queue = deque()
queue.append(1)       # enqueue
queue.append(2)
queue.append(3)
front = queue.popleft()  # dequeue: 1

# Deque usage - Sliding window maximum
def max_sliding_window(nums, k):
    dq = deque()  # stores indices
    result = []
    for i in range(len(nums)):
        # Remove indices outside the window range
        while dq and dq[0] < i - k + 1:
            dq.popleft()
        # Remove indices of values smaller than current
        while dq and nums[dq[-1]] < nums[i]:
            dq.pop()
        dq.append(i)
        if i >= k - 1:
            result.append(nums[dq[0]])
    return result

2.2 非線形データ構造

非線形データ構造は中級以上のコーディングテストで核心的に出題されます。

木構造(Tree)は階層的データを表現するデータ構造で、二分木(Binary Tree)、二分探索木(BST)、ヒープ(Heap)が最も重要です。二分探索木は探索/挿入/削除のいずれも平均O(log n)の時間計算量を持ち、ヒープは優先度付きキューの実装に使用され、ダイクストラ最短経路やタスクスケジューリングなどの問題で必須です。

グラフ(Graph)はコーディングテストで最も頻繁に出題されるデータ構造の一つです。隣接行列(Adjacency Matrix)と隣接リスト(Adjacency List)の2つの表現方法の違いを明確に理解する必要があります。頂点数が多く辺が少ない疎グラフでは隣接リストが、頂点数が少なく辺が多い密グラフでは隣接行列が効率的です。

ハッシュマップ/ディクショナリはキー・バリューのペアをO(1)で格納・検索できるため、出現頻度の計算、重複チェック、Two Sumなど数多くの問題で活用されます。Pythonのdictcollections.Countercollections.defaultdictを使いこなせる必要があります。

# HashMap usage - Two Sum problem
def two_sum(nums, target):
    seen = {}
    for i, num in enumerate(nums):
        complement = target - num
        if complement in seen:
            return [seen[complement], i]
        seen[num] = i
    return []

# Heap usage - Finding the Kth largest element
import heapq

def find_kth_largest(nums, k):
    # Maintain a min-heap of size k
    min_heap = nums[:k]
    heapq.heapify(min_heap)
    for num in nums[k:]:
        if num > min_heap[0]:
            heapq.heapreplace(min_heap, num)
    return min_heap[0]

# Graph representation - Adjacency list
from collections import defaultdict

graph = defaultdict(list)
edges = [(0, 1), (0, 2), (1, 3), (2, 3), (3, 4)]
for u, v in edges:
    graph[u].append(v)
    graph[v].append(u)  # undirected graph

2.3 データ構造別の活用頻度(コーディングテスト出題率)

2025年の主要企業のコーディングテスト過去問を分析した結果、データ構造別の出題頻度は以下の通りです。

データ構造 出題頻度 代表的な企業 学習優先度
配列/リスト 非常に高い(95%) 全企業 必須
ハッシュマップ/ディクショナリ 非常に高い(85%) カカオ、NAVER 必須
スタック/キュー 高い(75%) サムスン、カカオ 必須
グラフ 高い(70%) サムスン、NAVER 必須
木構造 中程度(55%) カカオ、LINE
ヒープ/優先度付きキュー 中程度(50%) NAVER、クーパン
トライ(Trie) 低い(15%) カカオ 選択

3. 必須アルゴリズムパターン10選

コーディングテストで繰り返し出題されるアルゴリズムパターンを習得すれば、初めて見る問題も既知のパターンにマッピングして素早く解くことができます。

3.1 ソートと探索

ソートはすべてのアルゴリズムの基礎であり、コーディングテストではソート自体よりもソートを活用した問題が頻出します。Pythonのsorted().sort()はTimSort(O(n log n))を使用するため、ほとんどの場合ソートアルゴリズムを直接実装する必要はありませんが、ソートアルゴリズムの原理を理解することは重要です。

二分探索(Binary Search)はソート済み配列でO(log n)で要素を見つけるアルゴリズムで、単純な探索だけでなく「条件を満たす最小値/最大値を求める」(パラメトリックサーチ)に広く活用されます。

# Binary Search - Parametric Search pattern
# Example: Cutting trees - finding the maximum cutter height
def parametric_search(trees, target):
    lo, hi = 0, max(trees)
    result = 0
    while lo <= hi:
        mid = (lo + hi) // 2
        # Total wood obtained when cutting at height mid
        total = sum(max(0, t - mid) for t in trees)
        if total >= target:
            result = mid
            lo = mid + 1
        else:
            hi = mid - 1
    return result

3.2 全探索とバックトラッキング

全探索(Brute Force)はすべての場合の数を探索する方法で、問題の入力サイズが小さい場合に最も確実なアプローチです。バックトラッキング(Backtracking)は全探索において見込みのないケースを早期に枝刈り(pruning)して効率を高める手法です。順列、組み合わせ、部分集合の生成、N-Queen問題などが代表的です。

# Backtracking - Generating combinations
def combinations(n, k):
    result = []
    def backtrack(start, path):
        if len(path) == k:
            result.append(path[:])
            return
        for i in range(start, n + 1):
            path.append(i)
            backtrack(i + 1, path)
            path.pop()  # backtrack
    backtrack(1, [])
    return result

3.3 BFS/DFS(グラフ探索)

グラフ探索はコーディングテストで最も頻出するアルゴリズムタイプです。BFS(幅優先探索)は最短距離を求める際に、DFS(深さ優先探索)は経路探索、連結成分の発見、サイクル検出などに使用されます。

# BFS - Shortest path in a maze
from collections import deque

def bfs_shortest_path(grid, start, end):
    rows, cols = len(grid), len(grid[0])
    queue = deque([(start[0], start[1], 0)])  # (row, col, distance)
    visited = set()
    visited.add((start[0], start[1]))
    dx = [-1, 1, 0, 0]
    dy = [0, 0, -1, 1]

    while queue:
        x, y, dist = queue.popleft()
        if (x, y) == (end[0], end[1]):
            return dist
        for i in range(4):
            nx, ny = x + dx[i], y + dy[i]
            if 0 <= nx < rows and 0 <= ny < cols:
                if grid[nx][ny] == 0 and (nx, ny) not in visited:
                    visited.add((nx, ny))
                    queue.append((nx, ny, dist + 1))
    return -1  # unreachable

# DFS - Counting connected components
def count_components(n, edges):
    graph = defaultdict(list)
    for u, v in edges:
        graph[u].append(v)
        graph[v].append(u)
    visited = set()
    count = 0

    def dfs(node):
        visited.add(node)
        for neighbor in graph[node]:
            if neighbor not in visited:
                dfs(neighbor)

    for i in range(n):
        if i not in visited:
            dfs(i)
            count += 1
    return count

3.4 動的プログラミング(DP)

動的プログラミングはコーディングテストで最も難しいタイプと言われますが、パターンを身につければアプローチがずっと楽になります。核心は最適部分構造(Optimal Substructure)重複部分問題(Overlapping Subproblems)を見抜くことです。トップダウン(メモ化)とボトムアップ(タブレーション)の2つのアプローチがあります。

# DP - Longest Increasing Subsequence (LIS)
# Top-down (Memoization)
def lis_top_down(nums):
    n = len(nums)
    memo = {}
    def dp(i):
        if i in memo:
            return memo[i]
        result = 1
        for j in range(i):
            if nums[j] < nums[i]:
                result = max(result, dp(j) + 1)
        memo[i] = result
        return result
    return max(dp(i) for i in range(n))

# Bottom-up (Tabulation)
def lis_bottom_up(nums):
    n = len(nums)
    dp = [1] * n
    for i in range(1, n):
        for j in range(i):
            if nums[j] < nums[i]:
                dp[i] = max(dp[i], dp[j] + 1)
    return max(dp)

# O(n log n) optimization - Using binary search
import bisect

def lis_optimized(nums):
    tails = []
    for num in nums:
        pos = bisect.bisect_left(tails, num)
        if pos == len(tails):
            tails.append(num)
        else:
            tails[pos] = num
    return len(tails)

3.5 貪欲法(Greedy)

貪欲法(Greedy)アルゴリズムは各段階で局所的に最適な選択をすることで、大域的な最適解に到達する方法です。貪欲法が正しい解を保証するには、貪欲選択性質最適部分構造が成立する必要があります。活動選択問題、コイン交換、区間スケジューリングなどが代表的です。

3.6 二つのポインタ/スライディングウィンドウ

二つのポインタ(Two Pointer)はソート済み配列で2つのポインタを移動させながら条件を満たすペアを見つける手法で、O(n^2)をO(n)に削減できます。スライディングウィンドウ(Sliding Window)は固定または可変サイズのウィンドウを配列上で移動させながら、部分配列の合計や最大/最小を効率的に求める手法です。

3.7 実装/シミュレーション

実装問題は特別なアルゴリズム知識よりも、問題に記述された条件を正確にコードに落とし込む能力を評価します。サムスン能力テストで最も多く出題されるタイプであり、グリッドの回転、スネークゲーム、ロボット掃除機シミュレーションなどが代表的です。ミスを減らすために、入力パース、境界条件の処理、方向転換ロジックを丁寧に実装する練習が必要です。

3.8 文字列処理

カカオのコーディングテストで特に頻出し、パース、正規表現、文字列比較、圧縮/復元などが核心です。Pythonの文字列スライシング、reモジュール、strの組み込みメソッドを使いこなす必要があります。KMPやラビン・カープなどの高度な文字列アルゴリズムは出題頻度が低いですが、知っておくと役立ちます。

3.9 最短経路(ダイクストラ、フロイド)

ダイクストラ(Dijkstra)アルゴリズムは単一始点からすべての頂点への最短経路を求めるアルゴリズムで、非負の重み付きグラフで使用されます。フロイド・ワーシャル(Floyd-Warshall)はすべての頂点ペア間の最短経路を求め、O(V^3)の時間計算量を持ちます。

# Dijkstra - Shortest path
import heapq

def dijkstra(graph, start, n):
    dist = [float('inf')] * n
    dist[start] = 0
    pq = [(0, start)]  # (distance, node)

    while pq:
        d, u = heapq.heappop(pq)
        if d > dist[u]:
            continue
        for v, w in graph[u]:
            if dist[u] + w < dist[v]:
                dist[v] = dist[u] + w
                heapq.heappush(pq, (dist[v], v))
    return dist

3.10 Union-Find / MST

Union-Find(素集合データ構造)は互いに素な集合を効率的に管理するデータ構造で、集合の統合(Union)と同一集合かの確認(Find)をほぼO(1)で実行します。MST(最小全域木)のクラスカル(Kruskal)アルゴリズムで核心的に使用され、ネットワーク接続や都市間の接続コスト最小化などの問題で出題されます。

# Union-Find (Path compression + Rank optimization)
class UnionFind:
    def __init__(self, n):
        self.parent = list(range(n))
        self.rank = [0] * n

    def find(self, x):
        if self.parent[x] != x:
            self.parent[x] = self.find(self.parent[x])  # path compression
        return self.parent[x]

    def union(self, x, y):
        px, py = self.find(x), self.find(y)
        if px == py:
            return False
        if self.rank[px] < self.rank[py]:
            px, py = py, px
        self.parent[py] = px
        if self.rank[px] == self.rank[py]:
            self.rank[px] += 1
        return True

# Kruskal's Algorithm - Minimum Spanning Tree
def kruskal(n, edges):
    edges.sort(key=lambda x: x[2])  # sort by weight
    uf = UnionFind(n)
    mst_cost = 0
    mst_edges = 0
    for u, v, w in edges:
        if uf.union(u, v):
            mst_cost += w
            mst_edges += 1
            if mst_edges == n - 1:
                break
    return mst_cost

4. 言語選択ガイド

コーディングテストでどの言語を選ぶかは、合否に直接的な影響を与えます。各言語の特性を理解し、自分の状況に合った最適な選択をしましょう。

比較項目 Python Java C++
コード量 少ない(1x) 多い(2~3x) 中程度(1.5~2x)
実行速度 遅い 速い 非常に速い
学習難易度 低い 中程度 高い
組み込みライブラリ 非常に豊富 豊富 豊富(STL)
大きな数の処理 自動サポート BigInteger必要 自前実装必要
制限時間の補正 3~5倍の余裕 2倍の余裕 基準
デバッグの容易さ 非常に良い 良い 普通

各企業が許可する言語リストも必ず確認しましょう。サムスン SW 能力テストはC/C++、Javaのみ許可しており、Pythonは使用できません。一方、カカオ、NAVER、LINEなどはPythonを含む多様な言語を許可しています。サムスンに応募する場合は、必ずC++またはJavaで準備する必要があります。

2026年 おすすめ言語ガイド

Python がおすすめな方:情報系以外の専攻者、コーディングテスト初心者、カカオ/NAVER/スタートアップ志望者。コードが短く直感的で、collections、itertools、heapqなど強力な組み込みライブラリにより実装時間を大幅に短縮できます。

C++ がおすすめな方:サムスン志望者、アルゴリズムコンテスト準備者、実行速度が重要な場合。STL(vector、map、set、priority_queueなど)を活用すれば効率的にコードを書くことができ、時間超過のリスクが最も少ないです。

Java がおすすめな方:サムスン志望者(C++に不慣れな場合)、Springベースのバックエンドポジション志望者。型安全性が高くランタイムエラーが少なく、企業の実務でよく使われるため面接時に追加のアドバンテージがあります。

最適な戦略:Pythonをメイン言語として習得しつつ、サムスン志望の場合はC++またはJavaを並行して準備しましょう。両方の言語に習熟していれば最も有利です。

5. 学習プラットフォームとロードマップ

5.1 おすすめプラットフォーム

プラットフォーム 言語 問題数 特徴 おすすめ対象
Programmers 韓国語 2,000+ カカオ過去問、難易度別分類、実際の試験環境と同一 韓国国内の就活生
Baekjoon (BOJ) 韓国語 27,000+ 膨大な問題数、段階別問題集、solved.ac連携 体系的な学習者
LeetCode 英語 3,000+ グローバルスタンダード、FAANG過去問、活発な議論 外資系企業志望者
Codeforces 英語 8,000+ 定期コンテスト、レーティングシステム、高難度問題 アルゴリズムコンテスト準備者
SWEA(サムスン) 韓国語 3,000+ サムスン過去問タイプ、模擬能力テスト提供 サムスン志望者

5.2 4週間/8週間/12週間 学習ロードマップ

自分の現在のレベルと目標時期に合わせて適切なロードマップを選びましょう。

4週間集中コース(1日3~4時間、1日2~3問)

  • 第1週:データ構造の基礎(配列、文字列、スタック、キュー、ハッシュマップ)- 20問
  • 第2週:コアアルゴリズム(ソート、二分探索、全探索、BFS/DFS)- 20問
  • 第3週:中級アルゴリズム(DP、貪欲法、二つのポインタ)- 15問
  • 第4週:模擬試験と過去問演習 - 15問

8週間標準コース(1日2~3時間、1日1~2問)

  • 第1~2週:プログラミング言語の文法+基礎データ構造 - 25問
  • 第3~4週:基本アルゴリズム(ソート、探索、全探索)- 25問
  • 第5~6週:グラフ(BFS/DFS)、DP、貪欲法 - 30問
  • 第7週:上級アルゴリズム(最短経路、Union-Find、文字列)- 15問
  • 第8週:企業別過去問+模擬試験 - 15問

12週間基礎からコース(1日1~2時間、1日1問)

  • 第1~3週:プログラミング言語の基礎+基礎問題演習 - 20問
  • 第4~6週:基本データ構造+基本アルゴリズム - 30問
  • 第7~9週:中級アルゴリズム(DP、グラフ、貪欲法)- 30問
  • 第10~11週:上級アルゴリズム+複合問題 - 20問
  • 第12週:実践対策+弱点補強 - 10問

5.3 おすすめの書籍・講座

  • 書籍:「これが就職のためのコーディングテストだ with Python」(ナ・ドンビン著)- 韓国で最も体系的なコーディングテスト入門書で、理論解説と過去問がバランスよく収録されています。
  • 書籍:「Pythonアルゴリズムインタビュー」(パク・サンギル著)- LeetCodeベースの問題をPythonで解説し、コード最適化テクニックを詳しく扱っています。
  • 書籍:「アルゴリズム問題解決戦略」(ク・ジョンマン著)- C++ベースの上級アルゴリズム書籍で、競技プログラミングレベルの問題まで扱う深い内容の教材です。
  • オンライン講座:Baekjoonの「段階別に解く」に沿ってsolved.acの難易度システムを活用すれば、自分のレベルに合った問題を体系的に解くことができます。
  • YouTube:「メガネ開発者ナ・ドンビン」チャンネルはアルゴリズムの概念を視覚的に分かりやすく説明しており、「コードなしプログラミング」チャンネルは実践的な問題解決プロセスを詳しく見せてくれます。

6. 実践テクニックと試験当日の戦略

どれだけ実力があっても、試験当日の戦略とメンタルが結果を左右することがあります。以下の実践テクニックを必ず身につけましょう。

時間配分戦略

  • まず全問題をざっと見て、難易度と想定所要時間を把握します(5分)。
  • 易しい問題から解いて確実な得点を確保します。カカオの7問形式では、最初の3~4問を2時間以内に完了するのが目標です。
  • 1問に30分以上詰まったら、いったん飛ばして他の問題に取り組みましょう。他の問題を解いているうちにアイデアが浮かぶことがあります。
  • 最後の20分は必ず提出したコードのエッジケースを確認する時間に充てましょう。

デバッグのコツ

  • print()デバッグを積極的に活用しましょう。重要な変数の値を出力してロジックの流れを追跡します。
  • 小さなテストケースを自分で作成し、手でシミュレーションしてからコードの結果と比較します。
  • Off-by-oneエラー(範囲が1つずれるミス)が最もよくあるバグです。ループの開始点、終了点、インデックスを必ず再確認しましょう。

エッジケースチェックリスト

  • 入力が空の場合(空の配列、空の文字列)
  • 入力が最小値または最大値の場合
  • すべての要素が同一の場合
  • ソート済みの場合と逆順ソートの場合
  • 負の数、0、非常に大きな数が含まれる場合
よくあるミス TOP 5

1. 時間計算量の未計算:コードを書く前に必ず時間計算量を計算しましょう。nが100,000のとき、O(n^2)は10^10の演算となり時間超過になります。O(n log n)以下のアルゴリズムが必要かどうかをまず判断しましょう。

2. 入出力形式のミス:出力形式が「各行に1つずつ」なのか「スペース区切り」なのかを正確に確認しましょう。末尾に不要なスペースや改行があると不正解になる場合があります。

3. 再帰の深さ超過(Python):Pythonのデフォルトの再帰制限は1,000です。DFSを再帰で実装する際は、sys.setrecursionlimit()で制限を増やすか、スタックベースのイテレーティブな方法に変換しましょう。

4. グローバル変数の初期化漏れ:複数のテストケースを処理する際、前のテストケースのグローバル変数が初期化されずに不正解になるケースが非常に多いです。

5. 整数オーバーフロー(Java/C++):int範囲(-2^31~2^31-1)を超える計算では、必ずlongまたはlong longを使用しましょう。Pythonは自動的に大きな数を処理するため、この問題は発生しません。

緊張のコントロール法

  • 試験前夜に遅くまで問題を解くのはやめましょう。十分な睡眠が当日の集中力を左右します。
  • 試験開始前に3~5回深呼吸をして緊張をほぐしましょう。
  • 難しい問題で詰まったとき、焦らないでください。「この問題が解けなくても、他の問題で点数を取り戻せる」という心構えを持ちましょう。
  • 普段から本番と同じ環境(制限時間、オンライン採点)で模擬試験を繰り返し、試験環境に慣れておきましょう。

結論:コーディングテストはトレーニングである

コーディングテストは生まれ持った才能ではなく、体系的なトレーニングの結果です。正しいデータ構造を選び、コアアルゴリズムパターンを身につけ、地道に問題を解き続ければ、誰でも合格レベルに到達できます。大切なのは1日に10問解いて2日休むことではなく、毎日1~2問ずつ着実に解き、間違えた問題を復習する継続的な努力です。

このガイドで扱った核心をまとめると次のとおりです。第一に、志望企業のコーディングテストの種類をまず把握し、それに合った戦略を立てましょう。第二に、データ構造とアルゴリズムの基礎をしっかり固めた上で、パターン別の問題演習に広げましょう。第三に、言語選択は志望企業の許可言語と自分の熟練度を基準に決めましょう。第四に、学習プラットフォームを活用した体系的なロードマップに従いつつ、本番環境での模擬試験を必ず並行しましょう。

今日から始める3ステップ

Step 1:環境構築(今日) - ProgrammersとBaekjoonに登録し、メイン言語の開発環境をセットアップしましょう。Programmersの「コーディングテスト高得点Kit」で最初の問題を解いてみましょう。

Step 2:基礎固め(1~2週目) - 配列、文字列、ハッシュマップ、スタック/キュー関連の問題を毎日1~2問ずつ解きましょう。Baekjoonの「段階別に解く」でブロンズ~シルバーの問題から始めるとよいでしょう。

Step 3:パターン学習(3週目~) - BFS/DFS、DP、貪欲法などのコアアルゴリズムパターンを一つずつ学び、各パターンにつき最低5~10問を解きましょう。間違えた問題は必ず解法を分析し、1週間後にもう一度解いて完全に自分のものにしましょう。

コーディングテストの準備は決して楽な道のりではありませんが、この過程で得られるアルゴリズム的思考力と問題解決能力は、合格後の実務でも一生活用できる貴重な財産となります。「千里の道も一歩から」という言葉のように、今日最初の一問を解くことからすべてが始まります。継続が実力になり、実力が結果になるその旅を、今すぐ始めましょう。